家を買うとき、どうしても「物件価格」ばかりに目が行きます。でも実際の家計を左右するのは、買ったあとに、住んでいるあいだずっとかかるお金です。ここを見落とすと、「買えたのに暮らしが苦しい」ということになりかねません。この記事では、マンションを持つとかかるお金の全体像を、実需(自分が住む人)の目線で一枚に整理します。
お金は「一度きり」と「ずっと続く」に分かれる
まず大きく2つに分けて考えると、見通しが立ちます。
- 一度きり(買うときの諸費用): 物件価格とは別に、契約や引っ越しでかかるお金
- ずっと続く(保有コスト): 住んでいるあいだ、毎月・毎年かかり続けるお金
多くの人が価格と住宅ローンだけを見て、この2つを見落とします。順番に見ていきましょう。
一度きり: 買うときにかかる諸費用
物件価格のほかに、契約時にまとまったお金が必要です。主なものは次のとおりです。
- 仲介手数料(仲介物件の場合)
- 登記費用(登録免許税・司法書士報酬)
- 住宅ローンの事務手数料・保証料
- 印紙税
- 不動産取得税(あとから納付書が来る)
- 火災保険・地震保険(数年分を一括で払うことも)
- 引っ越し代・家具・家電・カーテンなど
これらの合計は物件によって幅がありますが、物件価格とは別に、まとまった現金が必要という点を最初に押さえておくと安心です。正確な金額は物件・金融機関で変わるので、必ず見積もりで確認してください。
ずっと続く①: 毎月かかるお金
- 住宅ローンの返済
- 管理費(共用部の維持・管理)
- 修繕積立金(大規模修繕のための積立)
- 駐車場・駐輪場代(利用する場合)
「家賃並みの返済」というときの"返済"はローンだけを指すことが多いですが、実際はここに管理費・修繕積立金が必ず上乗せされます。
ずっと続く②: 毎年かかるお金
- 固定資産税・都市計画税(毎年。12で割ると月あたりが出る)
- 火災保険・地震保険(契約期間ごとに更新)
忘れがちな③: 将来かかるお金
ここが最も見落とされます。
- 修繕積立金の将来の値上がり(多くは段階的に上がる。長期修繕計画で将来額を確認)
- 専有部の設備交換(給湯器・エアコン・水回りなどは寿命があり、いずれ自費で交換)
- 光熱費(断熱性能・階数・向きで差が出る)
「今」の負担だけでなく、10年後・20年後に増える負担まで視野に入れておくと、あとで慌てません。
「買える価格」でなく「払い続けられる総額」で
まとめると、家の本当のコストは 買うときの諸費用 + 毎月の固定費 + 毎年の税金・保険 + 将来の修繕 の合計です。物件価格が予算内でも、これらを足すと家計が回らない、ということは起こりえます。だからこそ、価格ではなく「払い続けられる総額」で考えるのが実需の基本です。
ここスコアは、価格とローンの前提に加えて、管理費・修繕積立金・固定資産税を入力すると、毎月の総負担を内訳つきで表示します。候補ごとに並べれば、「家賃並み」の本当の意味が見えてきます。あわせて「月々いくら」を正しく出す、無理のない予算の決め方もどうぞ。