「家賃並みの返済で買えます」というセールストークをよく聞きます。でも、そこで比べている「返済額」は、住宅ローンの元利返済だけのことがほとんどです。マンションを持つ本当の月々の負担は、それだけではありません。買ったあとに「こんなはずでは」とならないために、月額の正しい出し方を整理します。
月々の総負担 = ローン返済 + 3つの固定費
分譲マンションでは、ローン返済に加えて、毎月〜毎年これだけかかります。
- 管理費: 共用部の清掃・管理・エレベーター保守など。毎月
- 修繕積立金: 大規模修繕にそなえた積立。毎月
- 固定資産税・都市計画税: 毎年(12で割ると月あたりが出る)
賃貸なら家賃に含まれて見えないこれらが、購入では別途のしかかります。ローン返済 + 管理費 + 修繕積立金 + 固定資産税÷12 が、実際に毎月出ていくお金です。「家賃並み」の比較をするなら、この総額で比べないと公平ではありません。
修繕積立金は「今の額」で判断しない
ここが最大の落とし穴です。修繕積立金は、新築時は安く設定され、時間とともに引き上げられていくのが一般的です(段階増額方式)。
- 今の金額だけを見て「安い」と思うと、数年後の値上げで家計が苦しくなることがある
- 長期修繕計画を見せてもらい、将来いくらになる予定かを確認する
- 逆に、修繕積立金が相場より極端に安い物件は、積立不足で将来の一時金負担が発生するサインのことも
「今いくらか」ではなく「これからどう上がるか」で見るのが実務のコツです。
管理費が安すぎる物件にも注意
管理費が相場より安いと得に見えますが、管理の質を削っている(清掃頻度が低い、管理員がいない等)場合があります。安さだけでなく、その金額で必要な管理が回っているかという視点が必要です。
「家族に説明できる月額」を出しておく
大きな買い物ほど、勢いで決めがちです。だからこそ、
- ローン返済だけの「見かけの月々」ではなく、固定費を足した総額
- 今だけでなく、修繕積立金が上がったあとの将来の総額
この2つを紙に書き出しておくと、家族と落ち着いて相談できますし、無理のない予算かどうかを冷静に判断できます。
まとめ
- 月々の負担は「ローン返済+管理費+修繕積立金+固定資産税÷12」で出す
- 修繕積立金は今の額でなく、長期修繕計画で将来額まで見る
- 見かけの返済額ではなく、家族に説明できる総額で判断する
ここスコアは、価格とローンの前提(金利・頭金・返済年数)に加えて、管理費・修繕積立金・固定資産税を入力すると、月々の総負担を内訳つきで表示します。未入力の項目は勝手に推計せず「未算入」と明示するので、わかっている範囲で正直な月額を出せます。候補ごとに並べて比べれば、「家賃並み」の本当の意味が見えてきます。