中古マンションを探すと必ず突き当たるのが「築何年までなら買っていいのか」という問いです。ネットには「築20年が狙い目」「築古は危ない」といった話があふれていますが、年数の印象だけで決めるのは危険です。大事なのは年数そのものより、その年数が実務的に何を意味するか。ここでは4つの観点に分けて整理します。
観点1: 耐震基準(1981年6月がいちばん大きな境目)
築年数で最初に見るべきは、いわゆる新耐震基準かどうかです。1981年6月に建築確認の基準が大きく変わり、それ以降に確認を受けた建物(=おおむね1983年ごろ以降の完成)は、震度6強〜7でも倒壊しにくい設計が求められています。
- 1981年6月以降の確認(新耐震)→ 現在の中古市場の中心。ここが基本ライン
- それ以前(旧耐震)→ 価格は安いが、住宅ローン・保険・売却で不利になりやすい。耐震診断・改修の有無を必ず確認
「築年数」ではなく「建築確認を受けた時期」で決まる点に注意してください。完成年が1982〜1983年の物件は、確認時期によって新旧が分かれることがあります。
観点2: 住宅ローンと控除の要件
築古物件は、住宅ローンの借入期間が短くなったり、住宅ローン控除の対象から外れたりすることがあります。金融機関は建物の法定耐用年数などを基準に融資年数を決めるため、築が深いほど「返済期間が取れない=月々の返済が重くなる」ことがあります。
住宅ローン控除も、中古では床面積や耐震性能などの要件があります。要件と金額は制度改正で変わるため、必ず最新の一次情報(国税庁・国土交通省)や金融機関で確認してください。ここでは「築が深いと資金計画に影響しうる」という点だけ押さえておけば十分です。
観点3: 修繕積立金は築年とともに上がっていく
見落とされがちですが、修繕積立金は築年数が進むほど上がっていくのが普通です。多くのマンションが「段階増額方式」で、新築時は安く、大規模修繕のたびに引き上げられます。
- 今の金額だけでなく、長期修繕計画で将来いくらになる予定かを確認する
- 修繕積立金が相場より極端に安い物件は、将来の急な値上げや一時金負担のサインのことがある
- 過去の大規模修繕の履歴(実施済みかこれからか)で、当面の負担も変わる
築年数の判断は、この「これからかかるお金」とセットで考えるのが実務的です。
観点4: リセール(売りやすさ)は築年より立地が効く
「築古は売りにくいのでは」と不安になりますが、実際にリセールを左右するのは築年数よりも立地です。駅からの距離、周辺の生活利便、街の将来性のほうが、価格の下がりにくさに強く効きます。築浅でも立地が弱ければ値持ちは悪く、築古でも一等地なら底堅い、というのはよくあることです。
つまり「築何年か」だけで足切りするより、立地・資産性とあわせて総合で見るのが正解です。
まとめ: 築年数は「単独」ではなく「他の軸とセット」で
- 1981年6月以降の新耐震かどうかが最初の基本ライン
- 築が深いほど、ローン年数・修繕積立金の将来増額に注意
- 売りやすさは築年より立地。単独で足切りしない
ここスコアは、築年数を新耐震基準で段差評価し(旧耐震には内訳で警告を表示)、立地・交通・資産性とあわせて総合点にまとめます。「築年数だけ」で迷わず、他の軸とのバランスで判断できます。