家を探し始めると、まず「いくらの物件を買えるのか」が気になります。このとき、年収倍率(年収の◯倍まで)や、銀行が「貸せます」と言う金額で予算を決めてしまう人が多いのですが、それは危険です。借りられる額と、無理なく返せる額は別物だからです。実需の目線で、予算の正しい決め方を整理します。
「借りられる額」で決めてはいけない
住宅ローンの審査で出てくる「借入可能額」は、あくまで金融機関が貸せる上限です。あなたの生活の余白(子どもの教育費、趣味、貯蓄、将来の備え)まで考えてくれているわけではありません。上限いっぱいで借りると、返済はできても暮らしにゆとりがなくなりがちです。
出発点は「毎月いくらまでなら無理なく払えるか」
予算は、物件価格からではなく、毎月いくらまでなら無理なく払い続けられるかから考えます。目安の一つは、
> 今の家賃 + 毎月無理なく貯蓄できている額
です。ただし、ここで大事な注意があります。持ち家には、家賃には含まれていない固定費が上乗せされるという点です。
- 管理費・修繕積立金
- 固定資産税・都市計画税
- 火災・地震保険
- 将来の設備交換やリフォーム
つまり「今の家賃と同じ額のローン返済」にすると、これらのぶん実際の負担は今より増えます。詳しくは買ったあとにかかるお金の全体像にまとめました。
ライフイベントの「余白」を残す
家は何十年も付き合うものです。その間には、収入や支出が変わる出来事が必ず起きます。
- 子どもの進学・教育費
- 車の買い替え、親の介護
- 収入の変動、働き方の変化
- 金利の上昇(変動金利なら、返済額が増える可能性)
とくに金利は、いまの返済額だけで判断せず、「もし金利が1%上がったら毎月いくら増えるか」を一度計算しておくと安心です。余白のない予算は、こうした変化に弱くなります。
総支払いから逆算する順番
実際の決め方は、次の順番で逆算するとぶれません。
- 毎月「無理なく払える総額」を決める(今の家賃+貯蓄額を目安に、余白を残す)
- そこから、持ち家の固定費(管理費・修繕積立金・税・保険)を差し引く
- 残りが「ローン返済に回せる額」
- その返済額から、借入額 → 物件価格帯が見えてくる
この順番なら、「銀行が貸してくれるから」ではなく「自分が払い続けられるから」で予算が決まります。
まとめ
- 借りられる額 ≠ 無理なく返せる額
- 出発点は「毎月払える総額」。持ち家の固定費を忘れない
- ライフイベントと金利上昇の余白を残す
- 物件価格からでなく、月額から逆算する
ここスコアは、価格・ローンの前提・管理費などを入れると、毎月の総負担を内訳つきで表示します。「この物件なら月々いくらになるか」を候補ごとに確かめながら、無理のない予算を見つけてください。