COLUMN

マンションの寿命は何年? 耐用年数47年の誤解と建て替えの実態から整理する

2026-08-02 公開 ・ 執筆: uuta_map

中古マンションを検討していると、「マンションの寿命は47年」「築50年はもう終わり」といった話を目にします。一方で「コンクリートは100年もつ」という話もあり、どちらを信じればいいのか分かりにくいテーマです。ここでは、数字の出どころをたどりながら、論点になりやすい点を4つに分けて整理します。

論点1: 「47年」は寿命ではなく税金の計算に使う年数

まず、いちばん誤解が多い数字から。47年は鉄筋コンクリート造(住宅用)の法定耐用年数で、これは税務上の減価償却——建物の価値を帳簿上何年かけて費用にしていくか——を計算するための年数です。建物が物理的に住めなくなる年数を示したものではありません。

「47年で寿命」という言い回しは、税務上の数字が独り歩きしたもの、というのが実態に近いようです。

論点2: 物理的な寿命の研究では100年超という数字が出ている

では実際の建物は何年もつのか。国土交通省の「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」の資料では、鉄筋コンクリート造の物理的寿命を117年と推定した研究が紹介されています。また、鉄筋コンクリート部材の効用持続年数を、適切な維持管理を前提に一般建物で120年、外装仕上げで延命した場合は150年とする研究例もあります。

ここで見落とせないのは、どの研究も「適切に維持管理されていれば」が前提になっている点です。同じ築年数でも、大規模修繕を計画どおり実施してきたマンションと、修繕を先送りしてきたマンションでは、残りの寿命がまったく違うことになります。「築何年か」より「どう維持されてきたか」が効く、という構図です。

論点3: 「古くなったら建て替えればいい」は、数字の上ではかなり狭き門

「寿命が来たら建て替わるのでは」と考えたくなりますが、実態の数字を見ると印象が変わります。国土交通省の集計では、マンション建て替えの実績は累計で323件・約2.6万戸(2025年3月末時点)。全国のマンションストックが約713万戸(2024年末時点)あることを考えると、建て替えにたどり着いた例はごく一部にとどまります。

建て替えが進みにくい理由としては、次のような点が挙げられています。

つまり「古くなったら建て替え」を前提にした購入計画は、現状の実績からすると分の悪い想定だと筆者は捉えています。むしろ建て替えに頼らず、修繕で長く維持できる体制があるかを見るほうが、実務的な視点のようです。

論点4: 築40年超は約148万戸。「管理を見る」が現実的な防衛線

国土交通省によれば、築40年以上のマンションは2024年末で約148万戸あり、うち約103万戸が1981年6月より前に建てられた旧耐震基準のマンションです。築古ストックはこれから急増していく局面にあり、「寿命の長いマンションと短いマンション」の差は今後ますます開いていくとみられます。

購入検討の場面でこの差を見分ける材料としては、次のようなものがあります。

本記事の数値は国土交通省の公表資料(マンションに関する統計・データ等ほか)に基づきます。制度や統計は更新されるため、最新の一次情報とあわせて見る前提の内容です。

まとめ: 寿命は「築年数」ではなく「管理」で決まっていく

ここスコアは、築年数を新耐震基準で段差評価し(旧耐震には内訳で警告を表示)、立地・交通・資産性とあわせて総合点にまとめます。管理状態の見方は管理状態の記事でも整理しています。

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※ 本記事は一般的な考え方の紹介であり、個別の物件の購入を推奨・非推奨するものではありません。制度・税制は変わることがあり、適用要件はご自身で最新の一次情報をご確認ください。購入の判断はご自身の責任でお願いします。