中古マンションを探していると、「マンションは管理を買え」という言葉を目にすることがあります。同じ築年数・同じ価格帯でも、管理組合がきちんと機能しているマンションと、そうでないマンションでは、住み心地も将来の修繕費負担も変わってくるようです。ここでは、内見や間取りだけでは見えにくい「管理状態」を、購入前にどう見分けるかという論点を整理します。
論点1: お金・計画・運営の3つが揃っているか
管理状態を見るときの大きな切り口は、お金(管理費・修繕積立金・滞納の有無)、計画(長期修繕計画・大規模修繕の履歴)、運営(管理組合が実際に機能しているか)の3つと言われます。この3つが揃っているマンションはトラブルが少ない傾向がある、という見方があります。逆に言えば、価格や間取りが良く見えても、この3つのどれかが弱いと、住み始めてから負担や不安につながる例もあるようです。
論点2: 「重要事項調査報告書」だけでは足りない
不動産会社が管理会社に発行してもらう「重要事項調査報告書」には、管理費・修繕積立金の月額、積立金の総額、借入金の有無、管理規約の概要などが記載されています。購入時の説明でまず出てくる資料ですが、この1枚だけで管理状態のすべてが分かるわけではないようです。
- 管理費・修繕積立金の金額の妥当性(近隣相場や将来の増額予定)までは読み取れないことがある
- 今後の修繕計画の詳細や、管理規約の細かい内容は別資料になっていることが多い
- あくまで「ある時点のスナップショット」であり、組合の運営実態までは表れにくい
この報告書は入り口として確認しつつ、他の資料と合わせて見ていく位置づけと捉えると分かりやすいかもしれません。
論点3: 長期修繕計画は「あるか」と「守られているか」
長期修繕計画がないマンションも実在し、その場合は積立金の根拠が薄く、「壊れたら直す」という場当たり的な対応になりやすいとされます。計画があるマンションでも、次の点が論点になりやすいところです。
- 長期修繕計画は5年ごとの見直しが目安とされ、直近の見直し時期が古すぎないか
- 建築費・人件費の上昇を踏まえて、計画の金額が更新されているか
- 計画どおりに大規模修繕が実施されてきた履歴があるか(先送りが続いていないか)
計画表の金額を眺めるだけでなく、「その計画が実際に実行されてきたか」まで見ると、実態に近づきやすいようです。
論点4: 総会議事録は「隠れた実情」が出やすい資料
総会議事録には、管理組合でのやり取りがそのまま記録されています。修繕積立金の値上げ議案が否決され続けている、特定の住戸の滞納が議題に上がっている、理事のなり手がいないなど、他の資料には出てこない実情が読み取れることがあるようです。
- 直近2〜3期分の議事録を通しで見ると、同じ論点が繰り返し出ていないか分かりやすい
- 滞納・訴訟・大きな設備トラブルなどが議題に上がっていないか
- 総会の出席率(委任状任せになっていないか)も、組合の機能度合いを見る手がかりの一つとされる
内見時に「議事録を見せてもらえますか」と聞くこと自体が難しく感じられるかもしれませんが、購入検討段階では珍しい依頼ではないようです。
数字で客観的に見る — ここスコアの「持つ価値」スコア
とはいえ、資料を3つ集めて読み込むのは時間も手間もかかります。ここスコアは、住所を入れると周辺環境や交通に加えて、マンションの資産性・将来性に関わる指標を「持つ価値」スコアとしてまとめて表示します。管理状態そのものの個別事情までは資料の確認が必要ですが、立地面での資産性を数字で把握したうえで、気になった物件だけ資料を取り寄せて確認する、という順番で進めると効率的かもしれません。